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ツンギレ6

「改めて俊喜くん、正、入学おめでとう!」「やー、ありがとうございます!」「ほんと俊喜さんいなかったらお兄ちゃん駄目だったもんね!」「余計なこと言ってんじゃねえよ」「あーもう! すぐ手ぇ出すー!」「正、おめでたい席でまで佳奈いじめてるんじゃな…

ツンギレ5

「近藤、斉藤。お前らなに教師に絡んでる」「え山岡先生、まじこの子教師なんすか?」「この子って言うな、28だ」「そうですよっ! 失礼しちゃいます!」「――折野」「なに、たかちゃん?」「あのな、お前のその喋り方も悪い。あとたかちゃんって言うな」「…

ツンギレ4

「おおおおお、楽しみになってきたぞ」「何で初日からあんな目に遭っといてそれが言えるんだ」「馬鹿言うなよ! 学校も一目置く優等生が実は、ってまるで漫画の世界じゃんか」「俺は平穏な学園生活でいい」「何だよつれねーなー」「いい加減懲りてんだとは思…

ツンギレ3

「っつか正よー」「んだよ」「またなんか面白いことに巻き込まれてるみてーじゃん」「何だそれ」「ほら、総代表」「あら面白そうな話じゃない?」 脳内に「ずざっ」と言う効果音が響いた。 誰もが去った教室の中、いるのは俺と俊喜の二人きり――油断していた…

ツンギレ2

「はじめまして、総代表の佐々倉有利さん」「死なすよ?」 入学式もつつがなく終われば、教室の席順は男女交えての五十音順と来た。 もう、何の冗談かと笑うしかない――さまざまな意味で。「近藤俊喜、15歳です! 趣味は人間観察! これ言うと大部分の人か…

ツンギレ1

まったく、どんなタイミングで不幸ってのは始まるんだかわかったもんじゃないな。 たとえば、今回のケース。俺の過失なんて、どう思い返しても一つっきりのはずだ。「目覚ましをセットし忘れた」。たったこれだけ。だってのにその後ときたら……いや、もう過ぎ…